家賃滞納で強制退去!? 日向市の賃貸トラブルと対応策まとめ|知らないと損する重要ポイント

日向市の賃貸不動産コラム

督促状を手に驚くモミジ神のイラストと『家賃滞納で強制退去?日向市の賃貸トラブル対応まとめ』の文字

ある日、管理物件で家賃滞納が続いていた入居者様の件で、保証会社さんと一緒に現地を訪れることになりました。

実は、こうしたケースは年間で見てもそこまで多くはありません。
ほとんどの方は「一時的な困難」であっても、きちんと話し合いをしてくださるので、退去や訴訟にまで発展することはほぼないのが現実です。

ですがこの日は、ドアを開けた瞬間から一筋縄ではいかない空気が漂っていました。
そして第一声で飛び出したのが──

「居住権があるので、出ていきません。」

このブログでは、実際の現場対応をベースに
家賃滞納が続いた場合にどのような法的プロセスを経ていくのか、
そして「居住権」という言葉が、現実の賃貸契約とどう関係しているのかを、わかりやすく解説していきます。

「誰もが住まいを失いたくはない」という前提を大切にしながら、
それでも私たち不動産会社として向き合わなければいけない現実について、ぜひ知っていただけたらと思います。





保証会社さんと一緒に現地へ

これは数年前に日向市で実際にあった、ちょっと衝撃的な出来事です。

管理している物件で家賃の滞納が何ヶ月も続いていて、こちらからも、保証会社さんからも連絡を入れていましたが、電話にも出ない、訪問しても反応なしという状態が続いていました。

このままだと保証会社さんとしても動かざるを得ないということで、一緒に現地確認へ
「できれば話し合いで解決したいですね〜」なんて話しながら、インターホンを押すと…

ガチャ。ドアが開いたその瞬間、飛び出したのはこの一言でした。

「居住権があるんで、出ていきません」

……いや、ゴルァアアア!!(←内心)

とはいえ、こちらもプロです。
感情的になって話がこじれてしまっては意味がありません。
保証会社の担当さんと顔を見合わせながら、ここからは冷静に、ひとつずつ丁寧に対応していくことにしました。



居住権って、そもそもどういう権利?

「居住権」って、なんとなく聞いたことがある方も多いかもしれません。
“住む場所を奪われない権利”みたいなイメージで語られることが多く、特にSNSなどでは強い言葉として使われることもあります。

たしかに、人が生活していく上で「住まい」は欠かせませんし、誰にでも“住む権利”はあるべきだという考え方そのものには、私たちも共感します。

ただ、よくある誤解として、
「居住権がある=契約関係がなくても、ずっと住み続けられる」
という認識をされているケースがあるのですが、これは実はちょっと違うんです。

「居住権」という言葉自体は、法律に明確な定義があるわけではありません

唯一、明文化されているものとしては、2020年の民法改正で新設された「配偶者居住権」などがありますが、これは相続に関する特殊なケース。
たとえば、夫が亡くなって持ち家が相続の対象になるときに、妻が無償で住み続けられるようにするための制度です。

つまり、一般的な賃貸借契約で「居住権があるから出ていかない」という主張は、法的には根拠がとても薄いというのが現実です。

ましてや、家賃の支払いが長期間止まっているような場合、契約はすでに解除されていて、そもそも“住み続けるための土台”がなくなっているんですね。

もちろん、経済的に苦しい状況であれば、いろんな制度や支援もありますし、私たちもできる限りのことはしたいと思っています。
でも、「居住権」だけで全てが守られる、というわけではないという点だけは、知っておいていただけると嬉しいです。


店長コメント
分かりやすくいうと、居住権って、肖像権なんかと似てて、“法律に明確に居住権とはこういうものって書いてある”わけじゃないんです。
でも、ちゃんと契約して家賃を払っている方が住み続ける権利は、もちろん保護されるべきものです。
逆に、未納で連絡から逃げて、契約が解除されたあとまで『居住権がある!』って言い張っても、それはちょっと無理があるんですよね…」


家賃滞納が続いたときの対応ステップ

ここまでで「居住権って、誰でも無条件に保証されるものじゃない」という話をしましたが、
じゃあ実際に家賃の滞納が続くと、どういう流れで手続きが進んでいくのか――。

これはもう、基本的には段階を踏んで、冷静かつ粛々と進んでいくものです。
もちろん、いきなり「出ていってください!」なんてことはありません。

ちなみに当社では、入居時に必ず保証会社に加入していただいています。
そのため、家賃の引き落としは保証会社が行い、もし残高不足などで引き落としができなかった場合も、まずは保証会社が家主さんに立替払いを行う仕組みです。

「不動産会社から催促の電話がくる」みたいなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、
当社から家賃の督促を直接行うことはありません
逆に言えば、「うちでは止めようがない」のが実情です。

では、実際の流れをざっくり説明すると──



  1. 【第1段階】保証会社の引き落とし・代位弁済
    家賃の引き落としができなかった場合、保証会社が代位弁済(立替払い)を実施し、家主さんや不動産屋さんに家賃を支払います。※たまに口座にお家賃が入ってなかった場合等、ご連絡いただくことがありますが、すぐに連絡してすぐ対応すれば、信用情報等に傷がつくようなことはまだないかと思います。(繰り返し続くようなケースはまた別ですが)

  2. 【第2段階】保証会社からの催告・連絡
    その後、保証会社の担当者からご本人に対して連絡が入ります。
    電話や書面、LINEなどを通じて「このままだと契約解除になる可能性がある」といった内容が通知されます。

  3. 【第3段階】契約解除の通知(催告)
    何度連絡しても応じてもらえない場合、保証会社から内容証明郵便にて「契約を解除します」と正式な通知が届きます。

  4. 【第4段階】明け渡し訴訟
    契約が解除されてもそのまま住み続けている場合、建物明け渡しの訴訟が裁判所へ提起されます。

  5. 【第5段階】判決確定 → 強制執行
    判決が確定すれば、いよいよ強制執行の段階へ。
    裁判所の執行官が動き、現地に「断行予告書」が貼られるなど、かなり具体的な手続きに入っていきます。

このあたりまで進んでしまうケースは、正直そこまで多くありません。
途中でちゃんと連絡を取って、お互いに話し合えれば、大ごとにはならないんです。

でも、完全に連絡が取れなくなってしまうと、保証会社さんとしても対応を進めざるを得なくなるのが現実です。
ここが本当に、大きな分かれ道なんですよね。



強制執行とは?貼り紙の意味とその後の流れ

「明け渡し訴訟」で判決が確定しても、それだけで自動的に退去となるわけではありません。
それでもなお部屋を使い続けている場合、次に進むのが『強制執行』という段階です。


これはもう、裁判所の執行官が動く話になります。
物件に断行予告書(だんこうよこくしょ)という紙が貼られたら、いよいよ本番が近づいているサインです。

この紙、玄関のドアにバチッと貼られます。


ガムテープで四隅をしっかり固定して、「この紙を剥がさないでください」と赤文字で書かれていたりもします。

周囲からも丸見えなので、ご近所さんに気づかれることも少なくありません
もちろん、こちらとしても望んでそうなるわけではないんですが、ここまで来るともう完全に裁判所の管轄です。


貼り紙のあとも連絡がつかず、退去の意思も見られない場合は、
「断行日」と呼ばれる日に執行官が現地入りします。


・執行官による開錠(鍵屋さん同行)
・中の荷物を運び出す業者
・物件の明け渡し完了後、ドアの交換や施錠処理

 
という流れで、実質的に“強制退去”が行われることになります。

そして、この費用(鍵交換・荷物の一時保管など)も含めて、本来は全て入居者の負担になるんです。

…ここまで読んで、「さすがにここまで行く人なんてなかなかいないでしょ?」って思った方。
そのとおりです。
でも、“連絡がつかないまま時間だけが過ぎる”と、ここまでいってしまうことがあるんです。



店長コメント
正直、ここまでくるのはかなりのレアケースです。
だけど、こういうケースがあるのも事実。
保証会社さんはこの流れも熟知しているため、連絡のとれない滞納者には、事務的にドライに進めていくしか方法がありません。
経済的に厳しい状況だったとしても、まずはいち早くご連絡を。それが一番です。


誠実に対応すれば、ほとんどの方は大丈夫です

ここまで読んで、「えっ、家賃払えなかったらこんな大事になるの!?」と驚かれた方も多いかもしれません。

でもご安心ください。実際には、ここまで進んでしまうケースはかなりのレアです。


家賃の支払いが一時的に難しくなることは、誰にでも起こり得ること。
そのときに、連絡をきちんと取って、保証会社さんと話し合う姿勢を持っていれば、多くの場合は解決の道が見えてきます。


一番よくないのは、「なんとなく気まずくて連絡を取らない」まま、時間がどんどん過ぎてしまうパターンです。


こちらからも保証会社さんからも連絡がつかないまま数週間、数ヶ月…となると、もう誰にも止められなくなってしまうんです。


もちろん、私たちとしても「何とかならないかな…」と思いながら見守っています。

上の店長コメントでも触れましたが、保証会社さんはこの流れも熟知しているので、
連絡が取れない場合は、淡々と手続きを進めていくしかなくなってしまうんです。


経済的に大変な状況なのかもしれない、というのは私たちも承知の上。
でも、やっぱり連絡があるかないかで、展開はまったく違ってくるんですよね。


「すみません、ちょっと今は厳しくて…」
そのひと言で助けられること、実はたくさんあります。
もし迷っている方がいたら、ぜひ勇気を出して一度だけでも連絡をください。



日向市で賃貸を探す方へのしんせい不動産としての考え方とサポート体制

今回ご紹介したような「強制執行」にまで至るケースは、ほんとうに一部です。
ほとんどの方は、途中できちんと連絡が取れて、話し合いの中で無事に解決しています。


とはいえ、実は今現在も手続きが進みつつある方がいらっしゃいます
保証会社さんとの連絡がつかない状態が続いていて、このままでは強制執行に進んでしまう可能性があります。


私たちからも、「保証会社さんと一度お話しされてみては?」という内容で何度かお電話を差し上げているのですが、
おそらく督促の電話だと思われているのか、残念ながらつながらず…という状況です。


もちろん、いろいろな事情があるかとは思います。
でも、それでもやはり連絡を入れることが、唯一の打開策であることに変わりはありません。



まずは保証会社さんにお電話を。
「支払いが遅れそうで…」という話でも大丈夫です。


きちんと話せば、対応してくれることも多いです。


もし「どう切り出せばいいかわからない」という場合は、私たちもしっかりサポートしますので、LINEから気軽にご相談ください。



よくあるご質問(Q&A)

Q. 家賃が遅れてしまったら、すぐに退去になりますか?
A. 基本的にはすぐの退去にはなりませんが、保証会社の判断で督促や通知が届くことがあります。できるだけ早めに連絡しましょう。
Q. 保証会社から連絡がきたけど、無視しても大丈夫?
A. 無視はNGです。連絡が取れない場合、強制的な手続きが進む可能性があります。事情を伝えるだけでも印象は変わります。
Q. 滞納分を分割で支払うことはできますか?
A. 保証会社によっては分割対応も可能です。まずは相談してみることをおすすめします。
Q. 不動産会社に相談すれば、退去を止めてもらえますか?
A. 基本的には保証会社が主導するため、不動産会社で退去を止めることはできません。アドバイスは可能ですので、まずはご相談を。
Q. 夜逃げしたらどうなりますか?
A. 荷物の処分、残置物の法的対応、債務の履行などが発生します。状況は悪化するため、絶対に避けてください。



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心配そうに電話相談を勧めるモミジ神のイラスト


なお、「不動産屋さんにはちょっと話しにくい…」という場合は、
お電話の際に「是澤(これざわ)さん、いますか?」と一言お伝えいただければ、私に直接つながります。

オーナー様や保証会社さんとの関係もあるため、「必ず解決できます」とまでは言えませんが、
少なくとも、今よりも前向きな一歩を一緒に考えることはできると思います

抱え込まずに、お気軽にご連絡ください。



今日は少し重ためなテーマでしたので、最後にモミジの写真でほっこりしていってください。



今回のような「家賃」や「契約」まわりで不安を感じた方は、こちらの総合ガイドもあわせてご覧ください。
日向市での賃貸探しに役立つ情報を、エリアや条件別にまとめています。



しんせい不動産 是澤店長の写真

この記事を書いた人

しんせい不動産(いい部屋ネット 日向店)|店長 是澤 修(1986年生まれ)

宅地建物取引士|物件紹介歴13年

上京後、都会の喧騒に疲れてUターン帰省。以来、地元・日向市で13年間、住まい探しのお手伝いをしてきました。
現在は、しんせい不動産の“看板犬”もみじと一緒に賃貸暮らし中です。

みなさん色々な事情がおありで、大変な時期、誰にでもありますよね...。
ただ、放置していると、状況は悪化するばかり。
困ってる人に届いて、少しでもためになれば幸いです。

モットー:はじめての一人暮らしや、転勤・同棲・ペット可物件など、
どんなご相談でも「不動産屋って怖そう…」という印象を変える、明るく相談しやすいお店づくりを目指しています。

日向市のお部屋探しは、ぜひお気軽にご相談ください♪

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