日向市でシロアリの羽アリを見つけたら?慌てる必要がないケースと注意が必要なケースを解説
羽アリを見かけた——まずクロアリかシロアリかを確認する
梅雨の前後、「突然大量の虫が出た!」とご連絡いただくことがあります。翅(はね)のあるアリのような虫——ただし梅雨の時期に飛ぶ羽アリにはクロアリとシロアリの2種類があり、見た目が似ているためよく混同されます。この2つは建物への影響がまったく異なるため、まず見分けることが大切です。
梅雨前後の「一斉飛翔」が発生のピーク
日向市を含む九州南部に多く生息するヤマトシロアリの場合、4月下旬〜6月上旬が羽アリを飛ばす主なシーズンです。梅雨の合間に晴れて蒸し暑い日の午前中〜昼前後にかけて、何百〜何千匹規模で一斉に飛び立つことがあります。「昨日まで何ともなかったのに今朝突然大量に」という状況が起きやすいのはこのためで、自然現象のひとつです。
クロアリの羽アリとシロアリの羽アリの見分け方
よく見ると体の形や色に違いがあります。判断に迷う場合は写真を撮って管理会社へご連絡ください。
| クロアリの羽アリ | シロアリの羽アリ | |
|---|---|---|
| 体の色 | 黒〜こげ茶 | 黄褐色〜薄茶色 |
| 腰のくびれ | はっきりある | ない(寸胴) |
| 翅の大きさ | 前後で異なる | 前後がほぼ同じ |
| 建物への影響 | 基本的になし | 木材を食害する |
梅雨の時期に見かける黒っぽい羽アリの多くはクロアリです。不快ではありますが、建物の木材を食べることはないため、過度に心配しなくて大丈夫です。
シロアリの羽アリだった場合——問題は「どこから出たか」
シロアリのコロニー(巣)が成熟すると、新たな巣を作るための新女王・新王候補が羽アリとして一斉に飛び立ちます。屋外や近隣から飛来した場合、その巣はどこか別の場所にあります。
重要なのは「建物の外から飛んできたのか、室内の壁・床・押入れの奥から出てきたのか」という点です。室内の内側から出てきた場合は、その建物自体にすでに成熟したコロニーが存在している可能性があります。
「外から飛んできた」と「建物の中から出てきた」はまったく別の話
ここが記事の核心です。シロアリの羽アリを見たとき、パニックになる必要があるかどうかは「発生源がどこか」で決まります。
外から飛んできた可能性が高く、建物の被害とは直接関係しないケースがほとんどです。掃除して様子を見るだけで十分です。
建物内部にシロアリのコロニーが存在している可能性があります。早めに管理会社へご連絡ください。
外から飛来した個体は、建物内部に巣を持つシロアリとは別物です。新たなコロニーを作ろうとして迷い込んだだけなので、窓を閉めて侵入経路を塞ぎ、入ってきた個体を処理すれば十分です。
シロアリ被害のサインを知っておく
シロアリは暗くて湿った木材の内部を静かに食害するため、被害が表面に現れるまで気づかないことが多くあります。以下のサインに早めに気づけると、被害が深刻になる前に対処できます。
蟻道(ぎどう)
蟻道とは、シロアリが土・砂・排泄物を固めて作るトンネル状の通路のことです。光を嫌うシロアリはこの蟻道の中を移動して木材を食害します。床下の基礎・コンクリート壁面・柱の根元などに、土を盛ったような細い筋が見られたら蟻道を疑ってください。床下点検口から懐中電灯で照らすだけでも確認できることがあります。
フラス(木の粉・砂状の粒)/床のフカフカ感
フローリングの隙間・幅木の際・押入れの隅などに、細かい木くずや砂状の粒が落ちている場合は「フラス」と呼ばれるシロアリの排出物の可能性があります。掃除してもまた同じ場所に出てくるようであれば、壁の内部で食害が続いているサインです。また、床を踏むとフカフカ・ぶかぶかした感触がある、壁を叩くと空洞音がする、壁紙がふくらんでいる——これらは内部の木材がすでに空洞化しているサインです。
室内から大量の虫が発生した
室内の壁・床の隙間・押入れの奥から短時間で何十〜何百匹もの虫が出てきた場合、その建物内部にすでに成熟したシロアリのコロニーが存在しています。これほど巣が発達しているということは、それ以前から相当期間にわたって食害が進んでいる可能性があります。窓に向かって大量の虫が集まっていたり、照明のまわりを飛び回っていたりする場合も同様です。飛んだ後に大量の翅が床に落ちているのもこのパターンの特徴です。
窓枠の内側・床と壁の境目・押入れの奥など「建物の内側から出てきた」場合は、早めに管理会社へご連絡ください。外から数匹が窓の隙間で入ってきた場合とはまったく状況が異なります。
賃貸住宅でシロアリのサインを見つけたら——まず管理会社へ
賃貸住宅の場合、建物の維持・修繕義務は基本的にオーナー(大家)側にあります。シロアリの駆除や被害箇所の補修は入居者が自分でやるものではなく、管理会社・オーナーが対応すべき事項です。
市販の殺虫剤で自己対処しようとしない
市販のシロアリ駆除スプレーを使って自己対処しようとする方がいますが、賃貸住宅では入居者が勝手に建物へ処置を施すことはトラブルの原因になります。また、表面の虫を駆除しても、床下や壁の中にいるコロニーの根本的な解決にはなりません。費用負担の問題も含め、まずは管理会社への報告・相談が鉄則です。
連絡するときに伝えてほしいこと
管理会社に連絡する際は、以下の情報を整理して伝えると対応がスムーズになります。
「先週の木曜朝、押入れの下の隅から虫が大量に出てきた」「床下点検口の近くに土の筋がある」など、日時・場所・症状を具体的に伝えましょう。写真があると対応が格段に早くなります。
蟻道・フラス・床のフカフカ感など複数のサインが重なる場合は被害が進行している可能性が高く、対応の優先度が上がります。気になるものはすべてまとめてご連絡ください。
原則として、建物の構造に関わるシロアリ被害の駆除はオーナー負担です。入居者が自己判断で業者を手配すると費用トラブルになることがあるため、必ず管理会社を通してください。
チェックリストで状況を確認しよう
気になることがあったとき、以下のチェックリストで現状を整理してみてください。
シロアリ被害は表面に現れるまで気づきにくく、気づいたときには被害が相当進んでいるケースもあります。蟻道・フラス・床や壁の変形など、少しでも気になることがあれば早めに管理会社へご相談ください。迷ったときは、まずご連絡いただければ状況を確認しにうかがいます。
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店長・宅地建物取引士|是澤 修